ボロ1000の車内でこの1冊
2007年6月5日 鉄道・鉄道模型
またまた、忙しくなって連続羽空2・3(蒲田22:55の快特と23:13の特急のこと)帰りになって行きは起きられなくて11Bに乗るからおかげで日経をほぼ読み終えるので帰りは眠ることさえなければ本を読むことに。そしてその本は山田深夜著「電車屋赤城」。
話の舞台は川崎から横浜・黄金町・上大岡を通って三浦半島を結ぶ神奈電の電車たちの修繕をしている横須賀工場ことスカコウ。そして、その下請けで整備の一部を請け負っているエース工業の社長の三郎が引きこもりをしている甥の純一をアルバイトとして雇うところから物語は始まっていく。そして、その純一の教育役として選ばれたのが、赤城という無口で無愛想でそれゆえに敵も多いがそれでも1000形をいじらせたら敵う者はいないという、まさに電車を整備する電車屋という名が相応しいのが特徴。
話は、各章ごとに主人公が微妙に入れ違いそれぞれが胸の中に隠してある傷や予期せぬ不幸などさまざまな困難や迷いの中で無愛想ながら相手の気持ちを汲み取りそして、決して飾り気のないさりげない方法で解決のために手を差し伸べて立ち直っていく。ただそんな話の中にも時代の流れをしっかりと映し出していてエース工業も下請けの地位として低迷していき資金繰りに苦労したりするし、新車3000形の登場で旧型車の1000形は次々と姿を消しそれと同時に古株の社員などを中心に合理化の波に飲み込まれ消えていく。そしてその反動で優秀な技術者不足をまねているというところまで現実を映している。
この本の舞台の神奈電は言うまでもなく、京急でスカコウは久里浜にあるから久里浜工場そして1000形は言うまでもなく京急1000形でありそれを追い出す役の3000形は補助椅子があるあたりからおそらくN1000形だろうが作者自体が元京急?社員で電車の整備に20年間携わっていたから、自分物の描写と同じかそれ以上に電車の仕組みとかメカニックの部分も細かく描写されているのがたまらない。
自分は、この中で最も好きなキャラがハマボウこと原口班長。世界の海で荒波に揉まれマグロを追いかけてきて鍛えられた体と、結婚して自分の船を持って夫婦船として幸せな日々を過ごすがある日船を当て逃げされ奥さんを亡くしてしまい荒れていた日々を乗り越え電車の整備の仕事に就くようになる。上にも下にも筋が通らないことに対しては激怒するが普段は、優しいところも見せるし一番かっこいいのが赤城と少ない口数で意思疎通してお互いの知恵を絞り合って難解な故障の原因を突き止めているときはまさにこの二人は本当に電車を治すという仕事に全てを賭けているのだと思ってしまうほどである。
そして30年にわたる長きに渡って第一線で走り続けられている1000形に乗りながらこれを読んでいると聞こえてくる機械の音一つ一つが今の電車にはないまさしく機械のリレーによって電車が動いていると実感させてくれるし、きっとこういう人たちがいるからこの旧型車でも今なお大きな故障を起こしたという話もなく毎日走り続けているだと思う。そして物語と現実を結んでくれる1000形にゆったりと腰掛けてこの本を読む。これこそ簡単なようでなかなかできない贅沢な時間なんだなと思った。
話の舞台は川崎から横浜・黄金町・上大岡を通って三浦半島を結ぶ神奈電の電車たちの修繕をしている横須賀工場ことスカコウ。そして、その下請けで整備の一部を請け負っているエース工業の社長の三郎が引きこもりをしている甥の純一をアルバイトとして雇うところから物語は始まっていく。そして、その純一の教育役として選ばれたのが、赤城という無口で無愛想でそれゆえに敵も多いがそれでも1000形をいじらせたら敵う者はいないという、まさに電車を整備する電車屋という名が相応しいのが特徴。
話は、各章ごとに主人公が微妙に入れ違いそれぞれが胸の中に隠してある傷や予期せぬ不幸などさまざまな困難や迷いの中で無愛想ながら相手の気持ちを汲み取りそして、決して飾り気のないさりげない方法で解決のために手を差し伸べて立ち直っていく。ただそんな話の中にも時代の流れをしっかりと映し出していてエース工業も下請けの地位として低迷していき資金繰りに苦労したりするし、新車3000形の登場で旧型車の1000形は次々と姿を消しそれと同時に古株の社員などを中心に合理化の波に飲み込まれ消えていく。そしてその反動で優秀な技術者不足をまねているというところまで現実を映している。
この本の舞台の神奈電は言うまでもなく、京急でスカコウは久里浜にあるから久里浜工場そして1000形は言うまでもなく京急1000形でありそれを追い出す役の3000形は補助椅子があるあたりからおそらくN1000形だろうが作者自体が元京急?社員で電車の整備に20年間携わっていたから、自分物の描写と同じかそれ以上に電車の仕組みとかメカニックの部分も細かく描写されているのがたまらない。
自分は、この中で最も好きなキャラがハマボウこと原口班長。世界の海で荒波に揉まれマグロを追いかけてきて鍛えられた体と、結婚して自分の船を持って夫婦船として幸せな日々を過ごすがある日船を当て逃げされ奥さんを亡くしてしまい荒れていた日々を乗り越え電車の整備の仕事に就くようになる。上にも下にも筋が通らないことに対しては激怒するが普段は、優しいところも見せるし一番かっこいいのが赤城と少ない口数で意思疎通してお互いの知恵を絞り合って難解な故障の原因を突き止めているときはまさにこの二人は本当に電車を治すという仕事に全てを賭けているのだと思ってしまうほどである。
そして30年にわたる長きに渡って第一線で走り続けられている1000形に乗りながらこれを読んでいると聞こえてくる機械の音一つ一つが今の電車にはないまさしく機械のリレーによって電車が動いていると実感させてくれるし、きっとこういう人たちがいるからこの旧型車でも今なお大きな故障を起こしたという話もなく毎日走り続けているだと思う。そして物語と現実を結んでくれる1000形にゆったりと腰掛けてこの本を読む。これこそ簡単なようでなかなかできない贅沢な時間なんだなと思った。
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