停車駅が増えてもスピードアップのからくり
2005年5月1日 鉄道・鉄道模型新聞の一面では連日福知山線での脱線事故を取り上げている中で
気になったのが、福知山線でも停車駅が増えてもスピードアップ
されているという記事。確かに余裕が全くなくなるまで切りつめる
ダイヤはどうかしているがまるで停車駅が増えてもスピードアップ
させる=運転手に無茶な走りを要求することなのか流星流に検証
してみました。
まずは、福知山線と同じ停車駅が増えてもスピードアップしている
路線ということで、分かり易い?東海道新幹線に登場してもらいま
しょう。
国鉄時代のひかりは東京・名古屋・京都・新大阪で3時間10分が
標準だったのが、現在はのぞみで東京・品川or新横浜・名古屋・
京都・新大阪と+1駅で2時間36分と−34分。ひかりだと東京
新横浜・名古屋以降各駅の+3駅でも2時間50分と−20分。で
走り抜けている。
国鉄時代と比べて最高速度が210キロから270キロと60キロも
上がったからこそ実現できたという点もあるが全列車270キロ対応
の車両にしたという点や加速性能があがり各駅に停まるこだまだ
きっちり逃げ切ってのぞみをやりすごしてから猛烈に追いかける
ことができるのも見逃せない。
一方の福知山線でも車両が高速で安定して走れるように地上設備の
改良もしているはずだがそれよりも車両の性能が違い過ぎてこれが
停車駅が増えてもスピードアップのからくりだったりもする。
福知山線の車両は以前は山手線など首都圏・関西圏の通勤路線
ならどこにでもいたような103系という車両でこれと現在の207系の
性能と比べたら天と地の差。
103系は山手線や大阪環状線といった駅間が1キロ前後の路線に
最適な車両として設計された特殊形式のはずが標準化にこだわる
国鉄の方針で通勤車両の標準として大量に作られて現在に至って
いてこの性能がまた低いというか高速性能が無いにも関わらず
京葉線・常磐快速線・東海道線各駅停車・阪和線など全く不向きな
路線にも入れられていて国鉄時代から問題になっていたという。
電車の性能を表すのに使われる数字に加速度(1秒間に何キロ加速
するか)と、定格速度(1時間連続して電流を流したときの速度で
おおむねその車両が最も性能を発揮する速度でもある)、そして
最高速度があってこれが103系と今回事故を起こした207系
では丸で違うこと。
まずは、加速度 103系が概ね2.0なのに対して207系は
2.7と一回り上回っている。そして、定格速度。これはその車両が
最も加速性能がよい速度域にもなっていてこれを越えた速度ではしだ
いに加速が鈍っていき本来の性能が発揮できなくっていく。103
系は32キロなのに対して207系が63キロと倍になっている。そ
して最高速度も100キロから120キロに上がっている。
つまり従来型である103系は加速しない・32キロより上の加速
性能は鈍くなる一方で乗っているときに運転席を見ても90キロ以上
の加速には無理があるとまで言いたくなるほど加速しないし、高速
性能の無さは運転手の間どころかファンの間でも有名になっている。
その一方で207系は加速もいいしそれが63キロまで続いてそこから先
は鈍ってくるがそれでも定格速度の倍が最高速度のため3倍以上ださ
せる103系よりもはるかに伸びがいい。もちろん、加速するだけでな
くブレーキも120キロからきっちり止まれるようにできているのは
言うまでもないこと。103系はメカ的に高速域でのブレーキ力が
低めに設定されているのと、応荷重装置の機構上満員でも空車と
認識してそれに応じたブレーキ力にしてしまうため運転手の間でも
ブレーキ距離が読めない車として恐れられているしその分、駅に豪快に
滑り込む事もできない。一方の207系は120キロで走っていてさ
らに満車・雨天という悪条件でも600m以内に停まれなければなら
ない基準を満たすためにそれ相応の装備もしている。
最高速度を上げるだけでなくて、その速度に到達する時間を短くして
トップスピードを維持できる時間をできるだけ長くした結果が停車駅
を増やしてスピードアップさせているということ。しかも今回でいう
なら国鉄時代の山手線専用設計の車両と現在の汎用車両を比べての
ことだからある意味比較になっていないようにも思える。
新聞の紙面で叩くのは簡単だろうけど、果たして記者はこういう背景
にある技術革新に気が付いているか疑問でしょうがない。スピードア
ップも必ずしも運転手に無茶を要求することでなくて技術面での違い
が生むこともあるのですよ、記者さん。特に鉄道だと国鉄時代の車両
は東京オリンピックの頃が基本設計なんだから。
気になったのが、福知山線でも停車駅が増えてもスピードアップ
されているという記事。確かに余裕が全くなくなるまで切りつめる
ダイヤはどうかしているがまるで停車駅が増えてもスピードアップ
させる=運転手に無茶な走りを要求することなのか流星流に検証
してみました。
まずは、福知山線と同じ停車駅が増えてもスピードアップしている
路線ということで、分かり易い?東海道新幹線に登場してもらいま
しょう。
国鉄時代のひかりは東京・名古屋・京都・新大阪で3時間10分が
標準だったのが、現在はのぞみで東京・品川or新横浜・名古屋・
京都・新大阪と+1駅で2時間36分と−34分。ひかりだと東京
新横浜・名古屋以降各駅の+3駅でも2時間50分と−20分。で
走り抜けている。
国鉄時代と比べて最高速度が210キロから270キロと60キロも
上がったからこそ実現できたという点もあるが全列車270キロ対応
の車両にしたという点や加速性能があがり各駅に停まるこだまだ
きっちり逃げ切ってのぞみをやりすごしてから猛烈に追いかける
ことができるのも見逃せない。
一方の福知山線でも車両が高速で安定して走れるように地上設備の
改良もしているはずだがそれよりも車両の性能が違い過ぎてこれが
停車駅が増えてもスピードアップのからくりだったりもする。
福知山線の車両は以前は山手線など首都圏・関西圏の通勤路線
ならどこにでもいたような103系という車両でこれと現在の207系の
性能と比べたら天と地の差。
103系は山手線や大阪環状線といった駅間が1キロ前後の路線に
最適な車両として設計された特殊形式のはずが標準化にこだわる
国鉄の方針で通勤車両の標準として大量に作られて現在に至って
いてこの性能がまた低いというか高速性能が無いにも関わらず
京葉線・常磐快速線・東海道線各駅停車・阪和線など全く不向きな
路線にも入れられていて国鉄時代から問題になっていたという。
電車の性能を表すのに使われる数字に加速度(1秒間に何キロ加速
するか)と、定格速度(1時間連続して電流を流したときの速度で
おおむねその車両が最も性能を発揮する速度でもある)、そして
最高速度があってこれが103系と今回事故を起こした207系
では丸で違うこと。
まずは、加速度 103系が概ね2.0なのに対して207系は
2.7と一回り上回っている。そして、定格速度。これはその車両が
最も加速性能がよい速度域にもなっていてこれを越えた速度ではしだ
いに加速が鈍っていき本来の性能が発揮できなくっていく。103
系は32キロなのに対して207系が63キロと倍になっている。そ
して最高速度も100キロから120キロに上がっている。
つまり従来型である103系は加速しない・32キロより上の加速
性能は鈍くなる一方で乗っているときに運転席を見ても90キロ以上
の加速には無理があるとまで言いたくなるほど加速しないし、高速
性能の無さは運転手の間どころかファンの間でも有名になっている。
その一方で207系は加速もいいしそれが63キロまで続いてそこから先
は鈍ってくるがそれでも定格速度の倍が最高速度のため3倍以上ださ
せる103系よりもはるかに伸びがいい。もちろん、加速するだけでな
くブレーキも120キロからきっちり止まれるようにできているのは
言うまでもないこと。103系はメカ的に高速域でのブレーキ力が
低めに設定されているのと、応荷重装置の機構上満員でも空車と
認識してそれに応じたブレーキ力にしてしまうため運転手の間でも
ブレーキ距離が読めない車として恐れられているしその分、駅に豪快に
滑り込む事もできない。一方の207系は120キロで走っていてさ
らに満車・雨天という悪条件でも600m以内に停まれなければなら
ない基準を満たすためにそれ相応の装備もしている。
最高速度を上げるだけでなくて、その速度に到達する時間を短くして
トップスピードを維持できる時間をできるだけ長くした結果が停車駅
を増やしてスピードアップさせているということ。しかも今回でいう
なら国鉄時代の山手線専用設計の車両と現在の汎用車両を比べての
ことだからある意味比較になっていないようにも思える。
新聞の紙面で叩くのは簡単だろうけど、果たして記者はこういう背景
にある技術革新に気が付いているか疑問でしょうがない。スピードア
ップも必ずしも運転手に無茶を要求することでなくて技術面での違い
が生むこともあるのですよ、記者さん。特に鉄道だと国鉄時代の車両
は東京オリンピックの頃が基本設計なんだから。
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